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2008年の記事

 

 

 

 

 

トキ・コーポレーション

 

■夢追い企業

業種:装飾照明等
トキ・コーポレーション


“夢を追う”。起業家にとって欠かせない要素だ。夢の無い経営には困難を突破するエネルギーが無いし、夢を追わない経営に人は集まらない。“夢”経営、ただ今実験中、とスローガンを掲げて業績を上げている技術志向の企業がある。装飾照明で基盤を築き、ロボット分野への展開も図りつつあるトキ・コーポレーション(東京都大田区・時枝直満社長)がその企業だ。

同社、設立は1971年(昭和46年)。時枝社長が海外の新技術や新素材を紹介することを目的にスタートした。やがて新製品開発や商品開発を受託し始め、異業種技術のコーディネートに取り組み出す。この過程で、米国の照明器具メーカーと出会い、装飾照明という成長可能性の高い市場の存在を知る。同社のコーディネート力が動き出す。「扱っていた樹脂フィルムや表示用の小型電球技術を組み合わせればビジネスチャンスがあるのでは」(時枝社長)。“夢”が膨らんだ瞬間だ。これがヒット商品「トキスター・テープライト」に結実していく。

当時、装飾照明の主流は、透明パイプに小型電球を数十個入れたもので、一個電球が切れるとブロック全体が消えてしまう泣き所があった。これに対し、テープライトはテープ状のフラットケーブルに電球を配するアイディアで、すべての電球が電気的に独立したパラレル回路構造となり、切れた電球だけを交換すればよいというすぐれもの。本場ラスベガスのカジノに採用されたのを手はじめに米国で急速に市場をつかんだ。ディズニーパークに採用され一躍知名度を上げたのが契機で日本市場をもつかむ。

屋外向けだけでなく、高級ホテル、店舗、劇場などの室内を間接照明で演出する「アドバンテージ」も国内外で市場を広げ、装飾照明のトキスターブランドをしっかり固めていった。同社の照明がクリスマスの六本木の夜を輝かせ、話題をさらうまでになっている。一方で、次世代照明として注目の発光ダイオード(LED)へのアプローチも着々と前進。変化への対応を怠っていない。夢、実験は続いているのだ。

照明にとどまらない。装飾照明でアプローチした多様な要素技術をコーディネートしながら、人工筋肉アクチュエータ(駆動装置)「バイオメタル」を世に問い、ロボット業界に注目されている。技術志向の同社の存在感を改めて市場に示した。「夢、ただ今実験中」の標語と並び同社は「不断の変革に挑み続ける」ともうたっている。多様な要素技術を磨きながら、時の市場に技術を集中して柔軟に対応している。同社の夢、とどまろうとしない。



著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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