ゆいまーる沖縄(株)
■「沖縄工芸品をブランド展開」
業種:沖縄工芸品の販売
ゆいまーる沖縄(株)
地域産品をオリジナルブランド化して県外に売り込む。しかもこれを、地域の卸・小売り業者が異業種連携して初めて手掛ける。こんな夢のある明るい事業が今、沖縄県で進んでいる。元々、同県は伝統工芸の盛んな地域。中でも陶器や琉球ガラスは沖縄の観光市場を支えてきた。この沖縄工芸品を新たな装いのもと、大々的に売り出そうというわけだ。
この主役となっているのが、ゆいまーる沖縄(株)(沖縄県浦添市、鈴木修司社長)。今は亡き創業者が「沖縄を経済的に自立させたい」との思いで、昭和63年に設立した。当初の事業は沖縄産食品を東京などの沖縄料理店などに卸すこと。当時、東京では沖縄の食品は入手しにくく、同社の県外に卸す事業はその先駆けとなるものだった。
だが紆余曲折があり、同社は大きな経営危機に傾く。これを救ったのが沖縄の民具。沖縄産業まつりで陳列した民具が食品よりも売れた。事業内容は以降、民具、工芸品に傾斜する。鈴木社長が入社したのは同社が民具などにカジを切った時期。創業者の檄(げき)で猛勉強し、年間100冊の本を読むことを自ら課したこともある。
同社長は今から5年前、30歳の若さで、51歳で他界した創業者の後を受けてトップに就任した。「会社はみんなでつくろう」を合言葉に、経営を規模の拡大から利益優先主義に転換、沖縄工芸品を経営の前面に押し出す。オリジナルブランド「nife(ニーフェ)」(沖縄の言葉でありがとうの意)などを作りだし、県内の工房などを巻き込んで県外に販路を拡大中だ。
これを推進するに当たり、中小機構沖縄事務所のアドバイスもあり平成24年2月に地域資源活用事業計画の認定を受けた。「自社にノウハウの全くない部分をアドバイスしてもらい」(鈴木社長)、工芸品の県外への販路開拓に努める。全員参加の月次決算研修会など人の育成にも独自の視点で臨む。創業者のDNAが脈々と受け継がれ、沖縄全体の活性化のため海外販売も志向する。一企業を超えた理念が斬新な企業を生む事例だろう。
著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン
著作者の承諾を得て掲載しています。無断転載ご遠慮願います。
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