優とぴあ
■高齢化社会に向けて“出張サービス”のビジネスモデルを描く!
業種:出張理美容サービス
優とぴあ
「高齢化社会の到来を考えると、ボランティア活動に頼り続けることには限界がある。新たなサービス事業と位置付けて“お金を出してでも綺麗になりたい”という人達の希望を叶えることが必要」と事業化の経緯を語るのは、高齢者施設や病院、障害者施設などを対象にした有料の出張理美容サービスで注目を集めている「優とぴあ」(山口県宇部市)の梶山代表。
高齢者施設などでは、施設の職員が入居者の散髪を行うのが一般的で、手入れや洗髪が容易でないことから、男女を問わず髪を短く刈り込んで済ませてしまう所が多かった。
ところが同社は、そうした施設に直接出向いて、入居者本人の希望を聞き入れた理美容サービスを行っている。売りは「ヘアカットだけでなく、パーマ、ヘアカラーなど、普通の人と同じおしゃれを楽しんでもらう」点にある。
当初は、周辺地域の同業者で結成した「協同組合レオン山口」の社会貢献事業として実施していたが、休日のボランティア活動に頼っていたため、スタッフのやりくり問題などが生じ、長期に継続することが困難になった。そこで、出張の理美容サービスを専門に行う事業に転換することを決意し、平成13年3月、スタッフ16人の体制と独自のシャンプーシステムや車椅子補助器具を整え、有料のサービスメーニューを揃えた同社を発足、事業を開始した。
事業化して1年余。宇部市とその周辺地域の病院や老人ホームを中心に、出張件数は急増しているという。まだ「試行錯誤の段階」ながら、出張専門にしたことで、多様な要望に対応できるほか、第一線を退いていた理美容師を起用して、休眠状態の技術・技能を活用するなど、地域の支持も広がっている。
現在の同社は任意組織だが、今年中には法人化する方針で、今後は施設出張に加え、在宅出張サービスにも力を入れる考えだという。そのために、在宅介護に対応できるホームヘルパーの資格を取得するなど、社内体制の充実化を計画中だ。高齢化時代のニュービジネスとはいえ、身を挺した同社の福祉事業の展開にエールを送りたい。
著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン
著作者の承諾を得て掲載しています。無断転載ご遠慮願います。
▲ TOP
2003年の記事に戻る