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2003年の記事

 

 

 

 

 

(株)脇木工

 

0.1%のニーズに絞り込んで顧客を満足させる!
業種:家具製造
(株)脇木工

「1000人のお客様のうち500人が好むものではなく、1人が好む家具作りを目指した」と、独特のものづくり経営論を説くのは岡山県の山間の町で木工製造業を営む「(株)脇木工」(従業員30名)の脇社長。

1953年に創業し、整理ダンスなどの木工家具の製造でスタートした同社に転機が訪れたのは、今からおよそ10年前。大手住宅会社から「家具作りの下請けにならないか」との話がもちかけられた時だという。この時、脇社長は経営の安定よりも、自分たちの作りたいものを自由に作れるメーカーとして生き残ることを選択し、以来、同社は、自社ブランド「MOMO」をもって、若い女性やカップルをターゲットにした家具作りに取り組んだ。シンプルでおし
ゃれな家具。そして求めやすい価格設定。そこにこだわった経営を推進したのである。

この経営を進めるに当たっての独自の戦略、それが冒頭の「1000人の中の1人に好まれる家具作り」だった。「皆、万人受けを狙いますが、私が狙ったのは0.1%」。即ち、ターゲットを絞り込むことでブランドの個性が出るというものだった。

東京・自由が丘。東京の中でも「センスの良い」、「おしゃれなイメージのある」場所。自社ブランドと店のイメージを大切にした同社が、アンテナショップを兼ねた直営店をその自由が丘に開いた。直販店を持つことで、客のニーズが「手に取るように分かる」からだという。エンドユーザーの意見を製品づくりに積極的に役立てている同社だからこそである。使う側に立ってもの作りをしたいとの同社の思いがここに集約されている。自分流のものづくりである。

工場でも「人の手」で作業が行われている。「手のぬくもりをお客様に伝え
る。これが“MOMO”の家具作り」と脇社長は言う。ものが売れない時代だからこそ、売る相手を絞り込む。そして相手が欲しいと思っているものを作る。更にはその売り方やブランドのイメージに沿った戦略を貫く。そこには、ものが売れない時代は無い。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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