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2005年の記事

 

 

 

 

 

 

ウェザーサービス

 

独自性こそ、規制緩和参入企業は試される

業種:個人向け気象予報サービス
ウェザーサービス

規制緩和は確かに新しいビジネスを生む。気象予報の分野も民間の参入が認められて以来、名乗りをあげる企業が相次いだ。しかし早くも過当競争がささやかれてもいる。一般的な天気予報を流しているだけでは、この新市場でもたちまち“負け組み”なのだ。「天気は、他人の住む場所のが判っても意味がない。自分が知りたい場所のが判って初めて意味がある。個人のニーズにこそビジネスチャンスあり」と付加価値ある個人向け気象予報で生き残りを目指すウェザーサービス(千葉県成田市、従業員7名)の横田社長。

同社は平成10年の設立の民間気象予報会社。規制緩和により気象予報業務への民間参入が可能になったのは平成元年。従って、決して早い参入ではない。先発組も多い。それだけ独自性が求められる。12年に、音声天気予報サービスを打ち出し、東京電話、NTT―MEなどを通じ、個人の気象情報ニーズを掘り起こしたのもこの流れだ。マスでなくパーソナルを狙う。小額なら有料でも個人は払うという確信は着メロの普及が根拠となっていた。同サービスは、同社のもう1つの特色である高度のIT技術を備えている点をフルに生かしてもおり、同社の事業の基礎となりつつある。

超高精細花粉情報システムも独自性にこだわった新サービスだ。横田社長自身の悩みだった花粉症、これをなんとかできないか、がビジネス開発のきっかけだった。従来も花粉予報はあった。しかし、花粉飛散量を人間が目視で行っていたため、予測が大雑把になるきらいがあった。同社は大手研究機関とコラボレーションしながら、24時間リアルタイムで花粉観測を行い、独自のシミュレーションによって、2Kメートル格子毎に最長48時間先まで1時間毎の花粉飛散量を予測することが可能なシステムの開発に成功、新市場を切り開きはじめている。花粉情報事業については中小企業総合事業団(現中小企業基盤整備機構)の新事業開拓助成金を活用している。大学や研究機関と連携し、IT技術を活かして情報コンテンツを開発していこうというのは同社の特徴的な動きだ。

規制緩和でつかんだビジネスチャンスを本物とするためには、参入後のハードルを次々と越えられるマネジメントと企業力が必要なことを、同社は地で示している。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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