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2010年の記事

 

 

 

(有)山ア製陶所 圓田窯

■「陶器の素晴らしさを伝えたい」

業種:陶器メーカー
(有)山ア製陶所 圓田窯

子育てや共働きなどで忙しい家庭には、電子レンジはありがたい存在だ。直接火にかける場合、なかなかその場所から離れられないが、電子レンジの場合は、スタートボタンを押したら、別の作業が可能になる。モロッコが本場の「タジン鍋」など、電子レンジで調理できる容器も、かなり市場に出回るようになっている。

(有)山ア製陶所 圓田窯(えんだがま)(岐阜県多治見市:加藤正明代表取締役)も電子レンジ料理を広めたいと考えている。創業して40年余り、陶器の容器専門メーカーとして壷、かめ、土瓶などのほか、有名店のオリジナルブランド容器をいくつも世に送り出してきた。現在、1日3,000個以上の製品を生産している。

そんな中、経営革新計画を取り、「温野菜を電子レンジ専用の陶器でつくれないか」と挑戦を始めた。加藤社長がたった一人で、毎日の仕事が終わった後、少しずつ実験を繰り返した。余分な水分が出たときに落とすための「すのこ」を考え、また蓋の穴をどうするか、ご飯は炊けるのかなど、あらゆることを試した。約1年前、ついに「温やさいポット」を開発した。調理はポットに野菜を盛りつけて、電子レンジに約4分かけるだけだ。

陶器専門メーカーとして長年、原料の土にこだわってきたが、今回、遠赤外線が多く出る地元の陶土を使った。「野菜が本来持つ栄養や旨味を美味しく味わってもらいたい」と加藤社長は強調する。今年は、課題である販路の開拓のために「楽市楽座 APEC国際見本市」や「中小企業総合展」にも出展して、実演試食も積極的に行ってきた。

このほか、そのまま焼くことができるケーキ用の容器や、パッキンが付いて匂いや湿気が漏れないツボ「思うつぼ」を開発・販売している。あらゆる素材が登場している中、陶器の持つ温かさや健康面での効果が見直されている。(有)山ア製陶所 圓田窯の想いは着実に広がっていくに違いない。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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