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元気な企業(最新)

2004年の記事

 

 

 

 

 

山本精工(株)

 

職人技をデジタル化!高収益企業に変身した町工場
業種:アルミ加工
山本精工(株)

「もはや職人が機械の前に張り付いて作業する時代ではない。職人の技術をデジタル化し、上手くプログラムを組めば、あとは工作機械がちゃんと作業してくれる。要は、知的労働とルーチンワークを区別することにある」と語るのは、町工場をIT化することにより、高収益企業へと変身を遂げた「山本精工(株)」(京都府城陽市、従業員数31人)の山本昌作副社長。

もともと同社は職人技が自慢の鉄工所だった。長年、自動車部品加工の下請けを続けていたが、昭和57年、当時工場長だった山本さんが「親会社の注文をこなすだけの単純作業から脱皮しよう」と“経営革新”を進言。以来、市場性の高いアルミ加工主体に事業分野を絞ると共に、量産品を止めて、個数は少なくても価格の高い特注・単品物に特化する経営に転換した。それは顧客層も、
社内体制も変革する“第二創業”への取り組みでもあった。

そして平成2年、職人技をデータベース化し、誰でも利用できる独自の加工管理システム「ヒルトップ」を開発。どんな単品加工にも応じられ、ルーチンワークを極力排除、超短納期も可能にした。

同社工場の中枢は「システムルーム」と呼ばれ、そこでは若い世代の社員がヒルトップを組み込んだパソコンに向かってNC旋盤やマシニングセンターなど加工機械の制御プログラムの作成に没頭している。これらのパソコンと工場内の各種工作機械はLANで結ばれ、昼間作成したプログラムを退社時にセットしてボタンを押せば、夜間のうちに機械が無人で稼動し、翌朝には加工された製品が出来ているという仕組みである。

まさに、3K職場と言われた町工場の現場を一新。24時間操業、休日操業を常態化し、当然、経営効率も向上した。何よりも「社員は知的労働に専念出来るのでスキルも高まる」効果は大きく、今では業界平均を大きく上回る売上高利益率25%という優良企業を続けている。

更に最近では、地域の同業者とコンソーシアムを組んでWebで試作品受注に応じる「京都試作ネット」を立ち上げ、顧客開拓面でも新機軸を築きつつある。中小企業にとってのIT化戦略の威力を目の当たりにする思いである。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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