育児休業の就業規則への記載
育児休業に関して、就業規則に記載する必要がありますか?ある場合、どの程度詳しく書けばよいのでしょうか。
結論から申し上げれば、記載する必要があります。
労働基準法第89条第1号において就業規則の記載事項として「休暇」があげられており、この「休暇」の中には、従来から、育児休暇も含まれるものと解されてきました。育児休業法による育児休業も、この育児休暇に含まれるものであり、育児休業の対象となる労働者の範囲等の付与要件、育児休業取得に必要な手続、休業期間については、就業規則に記載する必要があります。
なお、育児休業法においては、育児休業の対象者、申し出手続き、育児休業期間等が具体的に定められているので、育児休業法の定めるところにより育児休業を与える旨の定めがあれば記載義務は満たしていると解されます。
参考
- その他の絶対的必要記載事項
法第八十九条第一号から第三号までに定められている事項は、いかなる場合でも必ず記載しなければならない絶対的記載事項であり、育児休業中の労働者、育児休業後の労働者、育児休業をしないで就労する労働者のいずれについても、これらの事項が就業規則上明確になっていることが必要であるが、これらの事項が育児休業期間等であると否とを問わず同様である場合には、殊更別記する必要はないこと。具体的には、例えば、育児休業期間中に賃金が支払われないのであればその旨、育児休業期間中に通常の就労時と異なる賃金が支払われるのであればその決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期について記載しなければならないこと。また、例えば、一歳に満たない子を養育する労働者で育児休業をしないものについての時差出勤の制度については、その始業及び終業の時刻について記載しなければならないこと。 - 相対的必要記載事
項育児休業期間中の通信教育制度等の教育訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項、育児休業後の臨時の賃金等について定めをする場合においては、これに関する事項、その他育児休業中の労働者、育児休業をしないで就労する労働者について法第八十九条第三号の二から第十号までに定められている事項について定めをする場合には、そらに関する事項を記載しなればならないこと。ただし、当該定めが育児休業期間等であると否とを問わず同様である場合には、殊更別記する必要はないこと。 - 育児休業に関する規則
育児休業に関する事項については、就業規則の本則において大綱、要旨を規定するとともに、具体的な委任規定を設け育児休業に関する規則を例えば育児休業規程として一括して定めることは差し支えないものであり(昭利二十三年十月三十日付け基発第一五七五号、昭和六十三年三月十四日付け基発策一五〇号)、また、育児休業に関する必要記載事項と必要記載事項以外の事項の双方が一括して定められ労働者に周知されることが望ましいとの観点から、事業主が講ずべき措置に関するる指針(平成三年十月十五目付け労働省告示第七十三号。)1(2)においても、その旨定められているものであること。
(平3.12.20基発712号、平11.3.31基発168号)