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総報酬制と在職老齢年金 (2003年3月号より抜粋) | |
総報酬制がスタートすると在職老齢年金の計算式も変わるのでしょうか? |
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Q |
現在、在職老齢年金は、年金と標準報酬月額をベースに算定されています。4月から総報酬制が導入されますが在職老齢年金の計算式も変わるのでしょうか。賞与が多いと、保険料や年金がどうなるのかも教えてください。 |
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A |
今年、4月から総報酬制が導入され、年収トータルを対象に、保険料も年金額も決定されます。この場合、年収とは、標準報酬月額と標準賞与額を合算したものです。 標準報酬月額は、基本的にはこれまでと同じ考え方で決定されますが、定時決定の対象月が、5〜7月から4〜6月に変わります。標準賞与額は、「賞与の千円未満の端数を切り捨てた額」で、最高限度額は150万円で頭打ちです。 在職老齢年金の計算式も、総報酬制導入に合わせて、変更されます。ただし、実際に適用されるのは、平成16年の4月からです。なぜかというと、新しい式では、年金と標準報酬月額に加え、過去1年間の標準賞与額が算定ベースとなります。 具体的にいうと、「標準報酬月額に過去1年間の標準賞与額の12分の1を加えたもの」を「総報酬月額相当額」と名づけ、1ヵ月当たり収入の目安とします。 しかし、平成16年4月にならないと、過去1年間の標準賞与額の実績は定まらないので、在職老齢年金の新しい式も、それまで出番がないわけです。 新計算式は、16年4月が近づいてから、稿を改めて詳しくご説明します。これまで、在職老齢年金を決める際、賞与の多寡はまったく関係がなかったために、多くの企業で標準報酬月額を低く抑え、その代わり賞与を高めに設定する方式が取られてきました。こうすれば、月々の保険料も安くなるし、年金の減額幅も小さくなります。 しかし、平成16年4月以降はそういった小手先の調整は利かなくなるので、賞与の支給幅の多い人ほど、保険料も増える一方で、年金が大きくダウンすることになります。
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