障害者の年金の改正案 (2004年3月号より抜粋)  
     
 

障害者の年金を改正する案が出されていますが内容を教えてください

 

Q

年金の改革論議のなかで、障害者に関し、障害基礎年金と老齢厚生年金の併給を認めるという方針が示されました。これまでそういう選択ができなかったという点が、そもそも不思議です。以前から、違う種類の年金を組み合わせることは、可能だったように思うのですが、そうではないのでしょうか。

 

 
 

A

事由がことなっても支給可能に

厚生年金・国民年金、それぞれに老齢・障害・遺族の3種類の年金があります。人によっては、2つ、3つの年金を受ける権利が生じることもあります。しかし、一人1年金が原則で、複数の年金を重ねてもらうことはできません。

65歳以上の人は、老齢厚生年金と老齢基礎年金をもらうパターンが一般的です。

支給事由が同一の年金は、基礎年金と厚生年金、上下一体で受け取ることができます。障害厚生年金・障害基礎年金、遺族厚生年金・遺族基礎年金という組み合わせも可能です。

しかし、支給事由が異なる場合には、いずれかの年金を選択する必要があります。たとえば、老齢基礎年金と障害厚生年金を組み合わせることはできません。

例外は、遺族厚生年金の受給権者についてのみ認められています。遺族厚生年金を受けている人が、65歳に達したとします。この場合、保険料納付要件を満たせば、老齢基礎年金+老齢厚生年金という形で受給権が発生します。

しかし、老齢基礎年金+遺族厚生年金というパターンを選ぶこともできます。さらに、配偶者については、遺族厚生年金の3分の2+老齢厚生年金の2分の1+老齢基礎年金という複雑な組み合わせを取ることも可能です。老齢基礎年金の経過的加算も2分の1、遺族厚生年金の経過的寡婦加算も3分の2になります。

現在のところ、例外は遺族厚生年金だけです。しかし、今回改正では、障害者についても、金額面で有利なパターンを選択できる形にする方向で議論が進められているようです。

 

 
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