1ヶ月契約の派遣労働者の社会保険料 (2004年4月号より抜粋)  
     
 

短期で使用する派遣労働者の社会保険料を誰が負担すべきでしょうか?

 

Q

1ヵ月の約束で、派遣労働者をお願いしました。ところが、派遣元からの通知では、本人は社会保険に加入しているとのこと。1ヵ月の契約なら、その必要はないはずです。派遣元の判断で社会保険料を払っていたとして、当社がその分を補填する義務はないと思うのですが、いかがでしょうか。

 

 
 

A

派遣料金にオンするのが普通

労働者を派遣するとき、派遣元は社会保険加入等の有無を派遣先に書面で
通知しなければいけません。派遣先・派遣元ともに、社会保険の加入の有無を厳しくチェックするよう指導が実施されています。今年3月の改正法施行規則では、加入していないときはその「具体的な理由」(従来は、「理由」)を付さなければならないと定め、その徹底を図る方針です。

社会保険では、2ヵ月以内の期間を定めて使用される者は、被保険者から除外されます(反復更新される場合を除く)。ですから、登録型派遣で、貴社に1ヵ月だけ派遣される約束で契約を結んだ人の場合、保険加入の義務はありません。先ほどの加入の通知ですが、派遣元は堂々と未加入と記載して差し支えないわけです。

もちろん、派遣先も加入を求める必要はありません。しかし、貴社との関係では契約期間1ヵ月に限られていても、保険に加入しているケースもあり得ます。派遣労働者については、短期の契約を繰り返すパターンも少なくありません。

このため、「1つの雇用契約の終了後、最大1月以内に、同一の派遣元事業主のもとでの派遣就業に係る次回の雇用契約(1ヵ月以上のものに限る)が確実に見込まれるときは、使用関係が継続しているものとして取り扱う」ことが認められています。その場合、1ヵ月経って次の派遣契約が締結されなかった時点で、はじめて社会保険の資格喪失という扱いになります。

複数の契約間に空白があっても、派遣元が同じときは、1つの資格がそのまま継続するのです。

今回契約では、そういうスタイルで働いている人が派遣されてきたのでしょう。そうすると、観念的には、その保険料をどちらが負担すべきか、という話になります。

これは基本的には、派遣先・派遣元が話し合って決めるべきことですが、通常、そういった点まで交渉段階で突き詰めることはないでしょう。

派遣元が提示する派遣料金には、本人への給料支払い分、社会保険料、派遣元としての取り分など、さまざまな費用が営業政策的にオンされています。

貴社がその派遣社員を気に入らないと突っぱねて、別の保険未加入の人を寄こしてもらったとします。それでも、派遣料金に変わりはないと思います。

しかし、今回派遣されてきた人は、いくつもの会社で継続的に経験を積んできた人ですから、むしろ、即戦力として歓迎すべきではないでしょうか。

 

 
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