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総報酬制と在職老齢年金の減少(2004年6月号より抜粋) | |
4月から在職老齢年金の計算方法が変わったと聞くが減少幅はどの程度? |
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Q |
今年(2004年)4月から、在職老齢年金の計算方法が変わったと聞きます。改正によって、嘱託等の年金はどの程度減るのでしょうか。高齢者にとっては厳しい内容ですが、これも今、論議されている年金改革の一環なのでしょうか。 |
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A |
ボーナス比率で影響は違う 在職老齢年金の見直しは、平成15年の総報酬制導入に合わせた措置で、今国会で審議された年金改革関連法とは関係がありません。 在職老齢年金(60歳代前半)の計算では、キーとなる数字が2つあって、4月以前は22万円と37万円でした。簡単にいうと(一部の複雑な説明は省略)、年金の基本月額(年金の8割)が22万円を超えるか否か、月々の賃金(標準報酬月額)が37万円を超えるか否かに応じて、在職老齢年金の計算式が違っていたのです。 ところが、今回の改正で、ボーダーとなる数字が動きました。22万円が28万円に、37万円が48万円にそれぞれ引き上げられました。これはなぜかというと、在職老齢年金を計算する要素に、変更があったからです。 従来、用いられていたのは、基本月額と「標準報酬月額」の2つでした。 しかし、今年4月以降は、基本月額と「総報酬月額相当額(標準報酬月額に過去1年の標準賞与額の12分の1を加算したもの)」を基に、年金を計算します。標準報酬月額と総報酬月額相当額を比べれば、ボーナス分だけ、総報酬月額相当額が高くなります。このため、ボーダーとなる数字を上方に移動させたのです。 今回改正で、すべての人の年金が減るわけではありません。前年度にボーナスが少なかった人は、むしろ金額計算上、有利になります。年収に占めるボーナスの比率が高かった人だけが、不利になるわけです。 ちなみに、今国会で審議された年金改革関連法には、在職老齢年金の計算式を改定するプランも含まれていますが、基本月額の一律2割カット(8割相当だけ支給)を廃止する方針です。
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