05年4月以降の在職老齢年金の計算方法 (2005年4月号より抜粋)  
     
 

2005年4月から在職老齢年金の計算方法が見直されますがポイントは何でしょうか?

 

Q

在職老齢年金の計算方法が、今年4月から変わると聞きました。大多数の人は年金額が増えるそうですが、変更後の金額を基に、高齢者の賃金水準を全体的に見直す必要があります。新しい計算方法のポイントを教えてください。

 

 
 

A

一律2割カットを廃止

高齢化が急速に進むなか、60歳代前半層の就労促進が、国家的課題となっています。働きに出て収入を得ても、年金の減額調整が大きい場合、就労意欲の喚起は困難です。

このため、昨年の年金法改正時に、在職老齢年金の計算方法が見直されました。施行は、今年4月からです。

現在は、在職老齢年金を計算する場合、まず年金額を一律2割カットします。それから、2割カット後の年金額と総報酬月額相当額(標準報酬月額に過去12ヵ月の標準賞与額の12分の1を加えた額)をベースとして、在職老齢年金の額を計算しています。

しかし、改正後は、年金額の一律2割カットは廃止されます。今年4月からは、月当たりの(満額の)年金額(基本月額)と総報酬月額相当額の合計が28万円(支給停止調整開始額)以下のときは、働いても年金の減額調整はありません。

年金の基本月額と総報酬月額柏当額の合計が28万円を超えるときは、一定の計算式に従って年金額が減らされます。支給額の計算式自体は、一律2割カットがなくなったほかは、基本的に以前と同じです。

念のために、実務上、よく使われる計算式を次に示します。

年金額(基本月額)が28万円以下で、総報酬月額相当額が48万円以下のとき
支給月額=基本月額-(総報酬月額相当額+基本月額-28万円)×1/2

年金額(基本月額)が28万円以下で、総報酬月額相当額が48万円を超えるとき
支給月額=基本月額-(48万円+基本月額-28万円)×1/2-(総報酬月額相当額-48万円)

 
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