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厚生年金の脱退一時金 (2008年3月号より抜粋) | |
外国人が帰国する際に戻ってくる年金保険料の額はどう計算しますか |
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Q |
外国人の雇用状況を報告する義務が課され、今後、行政サイドの指導も強まると予想されます。当社にも、帰国を選択する外国人がいます。厚生年金の脱退一時金の対象になると思いますが、現在、脱退一時金はどのように計算されているのでしょうか。 |
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A |
被保険者であった期間によって乗率が違う 外国人でも、厚生年金の適用事業所に勤める限りは、原則として被保険者になります。しかし、25年以上日本で働いて、老齢厚生年金の受給権を得る人はわずかです。このため、短期で帰国する外国人を対象に、脱退一時金の仕組みが設けられています。脱退一時金の対象となるのは、次の条件を満たす人です。
ただし、日本国内に住所があるときは、申請できません。最後に国民年金の被保険者資格を喪失した日から2年が経過すると、権利を失います。障害基礎年金・障害厚生年金の受給権を得た人は、結果として保険が「掛け捨て」にならなかった(ケガ等をして障害が残ったのはお気の毒ですが)のですから、脱退一時金の対象にはなりません。 厚生年金の脱退一時金は、平均標準報酬額(各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を被保険者期間の月数で除したもの)に加入期間ごとに定められた乗率をかけて算出します。 従来、この乗率は固定されていました。しかし、平成16年度から、厚生年金の保険料率の段階的引き上げが開始されました。つまり、平均標準報酬額が同じでも、保険料率がアップするために年を追うごとに納める保険料額は増えていきます。脱退一時金は、本人が納付した保険料の一部を払い戻す趣旨ですから、保険料を多く納めた人には、それに見合う額を返還する必要があります。 このため、平成17年4月以後の被保険者期間がある外国人については、資格喪失時期の違いに応じて、適正な脱退一時金を算定する仕組みが導入されています。脱退一時金の乗率は,次のとおり定められています。
ここで「保険料率」とは、外国人が「最後に被保険者資格を喪失した日の属する月の前月(最終月)の属する年の前年の10月」を指します。平成20年3月に被保険者資格を喪失した人については、その前年の10月の保険料率(1000分の149.96)となります。
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