障害厚生年金と加給年金 (2011年4月号より抜粋)  
     
 

障害年金の受給権者が結婚した場合も配偶者加給年金額の対象に?

 

Q

当社で働く障害者が、近々、結婚することになりました。色々と年金のパンフレットを調べてみると、障害厚生年金には配偶者加給年金額が加算されるようです。この障害者も、申請すれば、加給額の加算対象になるのでしょうか。

 

 
 
A

加算対象の配偶者は資格取得時に限られない

障害厚生年金の加給年金額は、厚生年金法第50条の2に規定されていますが、平成23年4月1日から、改正が実施されます。新しい条文は、「障害等級1、2級の障害厚生年金の額は、生計を維持している65歳未満の配偶者があるときは、加給年金額を加算した額とする」というものです。従来は、「その権利を取得した当時、生計を維持していた65歳未満の配偶者があるとき」と規定されていました。

従来は、障害を負い、その認定当時に結婚していない(配偶者がいない)と、加給年金額の対象になりませんでした。しかし、平成23年4月1日以降は、「受給権発生後に婚姻により配偶者等を有し、その配偶者との間で生計維持関係がある場合にも、加給年金額の加算を行う」ことになりました(平22.9.14年発0914号第1号)。

ただし、注意が必要な点があります。まず、第1に貴社で働く障害者の障害等級を確認してください。配偶者加給年金額の対象になるのは、障害等級1、2級に限られ、3級は対象になりません。

第2に、「生計維持関係にある」か否かもチェックする必要があります。障害者の方ですから、1人で家計全部を維持するのは難しいので、共働きとなる可能性が高いでしょう。

ただし、共働きでも一定条件を満たせば、生計維持関係が認められます。その要件は老齢厚生年金等の「生計維持」と同様で、ハードル自体は高くありません。次のとおりです。

  1. 住民票上同一世帯に属しているなど、生計が同一であると認められること

  2. 将来にわたって年収が850万円未満であること

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