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老齢厚生年金と障害手当金の調整 (2012年5月号より抜粋) | |
高齢者が事故に遭い軽度の障害残れば障害手当金を申請できるか |
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Q |
嘱託社員が事故に遭い、悪くすると軽度の障害が残るおそれがあります。本人はフルタイム勤務で、定年後も引き続き厚生年金保険の被保険者資格を有しています。厚生年金では、軽度の障害を対象とする障害手当金という仕組みがあると聞きますが、どのような条件を満たせば受給できるのでしょうか。 |
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A |
年金の受給権者は障害手当金の対象外 国民年金では、障害等級は1級と2級の2種類です。しかし、厚生年金は3級まであり、3級に該当しない一定程度の障害を対象とする障害手当金という仕組みも設けられています。 1級から3級までは年金ですが、手当金は一時金です。金額は、老齢厚生年金等の報酬比例部分の年金の2倍に相当する額です(最低保障額も定められています)。障害手当金に該当する障害の程度は、厚生年金保険法施行令別表第2で定められていて、「両眼の視力が0.6以下に減じたもの」「1眼の視力が0.1以下に減じたもの」などが挙げられています。 障害手当金も、障害厚生年金・基礎年金と同様の保険料納付要件を満たす必要があります。原則的には、保険料の滞納期間が3分の1以下でなければならないとされています。お尋ねの方は、長年、貴社で厚生年金の被保険者資格を継続されてきたのでしょうから、こちらの要件は問題ないでしょう。 しかし、厚生年金、国民年金、共済年金から年金を受給できるときや、業務上災害で労災保険から年金等が支給されるときは、障害手当金は支給しないと規定されています(厚生年金保険法第56条)。 例外として、障害年金の受給権者が障害等級に該当しなくなった日から起算して3年を経過した場合には、手当金の対象となります。障害等級に該当しなくなり、年金を受けられない状態が長く続いている人に限っては、手当金を支給してもバランスを失することはないという判断でしょう。 お尋ねの方は、60歳代前半の老齢厚生年金を受けていらっしゃるのでしたら、対象になりません。 |
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