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年金の繰り上げ請求と継続雇用 (2013年4月号より抜粋) | |
高齢者が年金を繰上げ受給しながら雇用継続したらどうなる? |
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Q |
今年4月からは、いわゆる「無年金世代」が登場します。年金の繰上げ支給という選択肢もあるようですが、退職ではなく働き続けた場合、どのような扱いになるのでしょうか。繰上げ支給の仕組みと在職老齢年金との関係を教えてください。 |
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A |
厚生年金部分のみが調整される 昭和28年4月2日から昭和30年4月1日の間に生まれた「男性」は、平成25年4月1日以降、順次、60歳に達します。ちなみに、年齢は誕生日の前日に1歳増える(年齢計算ニ関スル法律)ので、4月1日に60歳になるのは4月2日生まれの人です。 この世代の男性は、60歳に達しても「60歳代前半の老齢厚生年金(報酬比例部分)」が出ません。支給開始は61歳からです。定年から年金の支給開始までの間をつなぐため、老齢厚生年金(報酬比例部分)の繰上げ請求が認められています(厚生年金保険法附則第13条の4)。 支給時期を繰り上げると、1ヵ月当たり0.5%の割合で、支給額が減額されます。61歳から年金を受給できる人が、60歳から年金の受給を受けると、1年間の繰上げですから6%(0.5%×12ヵ月)の減額となります。 老齢厚生年金の繰上げ請求をする場合、「老齢基礎年金と同時に行わなければならない」と規定されています(同条第2項)。 紛らわしいのが、老齢厚生年金の繰下げ支給です。こちらは老齢厚生年金単独の請求も、老齢基礎年金と合わせた請求も、どちらも可能という扱いになっています。老齢基礎年金も、繰上げ請求をすると1カ月当たり0.5%の割合で支給額が減給されます。 基礎年金の支給開始は65歳ですから、60歳から受給を始めると30%(0.5%×60ヵ月)の減額となります。 平成25年4月からは、高年齢者法により「本人の希望に基づき61歳までの継続雇用」が義務付けられます。 60歳定年に達した後に再雇用等を選択した高年齢者は、厚生年金の被保険者基準(正社員の労働時間の4分の3以上)を満たせば、引き続き厚生年金の被保険者となります。 繰上げで老齢厚生年金を受けている人が同時に厚生年金の被保険者である場合、在職老齢年金の規定が適用されます(厚年法附則第11条)。繰上げ受給者は老齢厚生年金と基礎年金を受け取っています(同時請求が原則)が、在職老齢の対象となり、減額されるのは老齢厚生年金部分に限られます。厚生年金の被保険者であっても、老齢基礎年金は全額が支給されます。 さらに、高年齢者が雇用保険の雇用継続給付を受ける場合には、在職老齢年金による年金カットに加え、雇用保険給付と年金の調整も実施されます。 標準報酬月額が定年時賃金の61%未満であるときは、標準報酬月額の6%相当額がカットされます(61%以上75%未満のときは、減額率が一定幅で逓減されます)。
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