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平成26年4月改正の遺族基礎年金 (2014年8月号より抜粋) | |
妻の死亡で夫に年金が出る法律改正が実施されたがその範囲は? |
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Q |
先日、年配の男性社員が集まって雑談している折に、「男性も遺族基礎年金をもらえるようになった」という話題が出ました。大部分の社員は、「一部の特例が認められただけで、自分たちには関係がないのでは?」といった反応です。実際問題として、どの程度の範囲拡大が行われたのでしょうか。 |
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A |
夫も支給されるが「子のある親」に限定される 改正された年金法は、平成26年4月1日から施行されています。改正以前、遺族基礎年金は、国民年金の被保険者等が死亡した場合、「子のある妻または子」に支給される規定でした。子については、「18歳の年度末以前かまたは20歳未満で障害等級1・2級に該当」という要件が付されています。 サラリーマンの場合、厚生年金保険の被保険者であると同時に、国民年金の第2号被保険者でもあります。ですから、夫死亡時には母子が遺族基礎年金の受給権者となります。これは常識のはんちゅうです。 4月1日以後は、対象範囲が「子のある配偶者または子」に拡大されました(改正後の国民年金法第37条の2)。マスメディアでは、「父子家庭にも年金支給」などと報じていました。 妻が共稼ぎでフルタイム勤務であれば、厚生年金の被保険者となります。妻が専業主婦(または短時間パート)であれば、国民年金の第3号被保険者になります。 まず、妻が厚生年金の被保険者であるときは、夫と妻の立場が入れ替わっただけです。妻死亡時には、父子が遺族基礎年金の受給権者となります。忘れてならないのは、「年齢要件等を満たす子がいる場合」という条件が付されている点です。夫婦2人だけで、子がいないときは、夫(配偶者)に遺族基礎年金の権利は生じません。そういう意味では、「一部の人だけが対象」です。 父と子はともに年金の受給権者です。ただし、「子に対する遺族基礎年金は、配偶者が遺族基礎年金の受給権を有するときは、支給を停止」するというルールが定められています(国民年金法第41条)。 妻が国民年金の第3号被保険者であるときは、「妻は専業主婦で、父子の生計を維持する立場ではなかったので、遺族基礎年金は出ないのでは?」という疑問が生じます。この問題は少々もめたのですが、最終的には第3号被保険者死亡時にも父子に遺族基礎年金を支払うという結論となりました。 妻が厚生年金の被保険者であるケースに話が戻りますが、厚生年金の被保険者死亡時には、遺族厚生年金も出ます」改正前から、夫も遺族厚生年金の受給権者に含まれていましたが、年齢55歳以上(60歳までは支給停止)と規定されていました。 平成26年4月1日以降は、年齢55歳以上(夫が遺族基礎年金の受給権者のときは支給停止なし)に改められました。さらに、「子の遺族厚生年金は、配偶者が遺族厚生年金の受給権を有する期間、支給停止」というルールに変わりました(厚生年金保険法第66条)。
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