被保険者資格喪失後の障害基礎年金 (2015年4月号より抜粋)  
     
 

被保険者資格喪失後にケガしたが障害基礎年金を申請できるか

 

Q

従業員の奥さんが、事故で複雑骨折し、障害が残りそうな状況です。通常なら、サラリーマンの奥さんは国民年金の第3号被保険者ですから、障害基礎年金の請求が可能です。ところが、この方は、現在、62歳です。年金はどうなるのでしょうか。

 

 
 
A

60歳前1年未滞納なら受給可能

いわゆる専業主婦等(サラリーマンの配偶者等)は、国民年金の第3号被保険者になるといいます。しかし、正確には「被扶養配偶者のうち20歳以上60歳未満のもの」という条件が付いています(国民年金法第7条)。

第3号被保険者である期間は、年金の保険料納付要件をみる際には、保険料納付済期間として取り扱われます。しかし、本人が60歳に達すると、第3号被保険者資格を喪失します(国民年金法第9条)。資格喪失後に、ケガ等で障害が残った場合、障害基礎年金はどうなるのかという疑問が生じます。

障害基礎年金は、初診日現在で次のいずれかに該当する人が、保険料納付要件を満たす場合に支給されます(国民年金法第30条)。

  1. 被保険者である

  2. 被保険者であった者であって、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満である

お尋ねの方は、2.に該当します。

保険料納付要件については、原則として、「初診日の属する月の前々月までの国民年金の被保険者期間のうち3分の2以上が保険料納付済期間または保険料免除期間であること」です。

お尋ねの方は、既に被保険者資格を喪失しているので、喪失以前の被保険者期間について3分の2要件を満たすか否か確認します。

ただし、平成38年4月1日までは、「直近1年間の国民年金の保険料の滞納がなければ」、保険料納付要件を満たしたとみなす特例があります(国民年金法昭60附則20条)。初診日に被保険者資格を喪失している人に関しては、「直近の被保険者期間に係る月までの1年間(60歳到達前の1年間)に滞納がなければ」、条件をクリアしたとみなされます。

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