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年休の事後申請 (2003年1月号より抜粋) | ||
診断書がなければ年休の事後申請を認めない規定は法律に違反でしょうか? |
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Q |
当社では、医者の診断書を持ってきたときに限り、年休の事後申請を認めるという方式を取っています。以前は、「病気の場合は、事後でも認める」という扱いでしたが・不正申請が多かったので規則を改めました。ところが、先日、事後申請をはねつけられた社員が、「そんな制限は不当だ」と上司に食って掛かりました。社員の言うように、法違反になるのでしょうか。 |
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A |
年休の時季は、従業員が自由に指定できますが、事業主は「事業の正常な運営を妨げる場合には」、時季変更権を行使できます。 ところが、勝手に休んだ後に年休申請されると、事業主としては時季変更を申し出る余地がなくなります。このため、事後申請に付いては、「労働者が急な理由で欠勤した場合にそれを事後的に年休日に振り替えてもらうことがあるが、このような欠勤日の年休日への振替は、使用者の同意がある限りは法によって排斥されていないものというにとどまる」(菅野和夫「労働法」)と解されています。 つまり、事後申請を認めても違法ではないけれど、必ず振替なければならないという義務もないのです。 しかし、「上司が必要と認めた場合には、欠勤日を年休に振り返ることを認める」といった規定が就業規則中にある会社は、少なくありません。規定がなくても、慣行として事後申請を許可している場合も、多いでしょう。ご質問にある社員は、前に在籍していた会社や知人の会社などにそうした規程があったので、当然の権利だと誤解しているのではないでしょうか。 認めるか否かのルールは自由に定められるので、「診断書を提示した場合にのみ、振替を認める」という規定も、当然、有効です。 しかし、あまり杓子定規な運用をしたのでは、従業員の反発を招きます。客観的に病気だったことが明白なら、多少の融通は必要でしょう。 要は、会社と従業員の信頼関係の問題です。
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