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総報酬制と月給ボーナス比率 (2003年5月号より抜粋) | |
ボーナスと月給の比率をどう変えれば費用対効果が良くなるでしょうか。 |
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Q |
4月からスタートした総報酬制ですが、労働組合の方から、賞与と給与の比率を見直す必要はないか、と質問状が来ました。保険料と将来の年金額、両方の観点から、どういう比率にするのが一番得なのか、アドバイスをください。 |
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A |
総報酬制が導入された理由の1つは、年収が同じでも賞与の比率によって納める保険料に違いがあったことです。 正社員の方はパートさんに比べ、普通は年収がぐっと多いはずですが、賞与の比率が大きいため、年収の違いに比べ、保険料の差は相対的に小さいという問題がありました。これを是正するために、総報酬制がスタートしました。 4月以降、保険料と年金額がどのように決められるか、みてみましょう。総報酬制のもとでは、月々の保険料は、標準報酬月額に基づいて算出します。これまでと、基本的に同じです。 そのほか、賞与が払われる都度、標準賞与額(賞与額の1,000円未満切捨て)をベースに保険料を計算します。 標準報酬月額、標準賞与額に乗じる保険料率はまったく同じです。新制度では、介護保険料、児童手当拠出金も賞与から徴収されます。 ですから、原則的には、賞与・給与の比率をどのように変えても、年収が同じなら介護保険料等に至るまで、すべて同じです。 ただし、標準賞与額には、健康保険200万円、厚生年金150万円という上限があります。このため、上限を超えて賞与を払った場合、その分は、保険料を免れることができます。しかし、標準報酬月額にも上限があるので、そちらとの絡みを考える必要があります。 年金は、平成15年3月以前と、4月以降と2つに分けて計算します。3月以前に加入していた分は、平均標準報酬月額×7.125/1,000×被保険者期間の月数という式を使って計算します。細かな経過措置がたくさんあって、必ずこのとおりになるとは限りません(今すぐ辞めると、経過措置が適用される可能性が高い)が、煩雑になるので省略します。 4月以降の加入分は、平均標準報酬額×5.481/1000×被保険者期間の月数という式を用います。 平均標準報酬額とは、被保険者期間全部の標準報酬月額と標準賞与額をすべて足し合わせ、それを被保険者月数で除したものです。 月給も賞与もごちゃ混ぜにして平均を出すのですから、賞与・月給の比率をどのように変えても、結果は同じです。年金額に、有利不利が生じる余地はありません。 しかし、前述のように、実際の賞与額が標準賞与額の上限を超える場合は、その分、保険料を払わない代わりに、年金額も増えません。当然のことです。 新しい仕組みのもとでは、原則として年収総額のみが問題になるので、賃上げ、ボーナス交渉に当たっても、この問題を検討するメリットはありません。
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