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年休の時季指定 (2004年7月号より抜粋) | |
月間サイクルで業務がヒマな日にまとめて年休取得を奨励したい |
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Q |
当社工場では、月間サイクルのなかで、1〜2日・ヒマな日が発生します。年休取得率が5割前後と低いので、この日を年休の奨励日として、年休取得を促進したいと考えています。この場合、残日数の少ない社員にも強制できるのでしょうか。 |
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A |
計画的付与で対応を 会社にとって、従業員が出社しようと、年休を取ろうと、賃金の支払額に変わりはありません。年休の取得促進を図るのは、労務政策として立派なことです。ただし、権利行使の選択権はあくまで従業員側にあります。 会社が「良かれ」と思っても、強制はできません。「取ってください」とお願い(奨励)することはできますが、拒まれても懲戒事由にはなりません。特に、年休日数の少ない人については、異議が予想されます。 解決策としては、年休の計画的付与をお勧めします。過半数労組(ないときは過半数代表者)と労使協定を結べば、年休の一定部分を、労使が定めた日に強制的に付与することができます。 ただし、年休のうち、5日分(前年繰越分を含みます)だけは本人の自由利用のためにキープしておく必要があります。つまり、残日数が6日以上ある人に限り、5日を超える分について計画的付与が可能となります。 計画的付与は、ゴールデンウイーク、夏季、年末年始などの時季に大型連休を組むために既に使っているという会社もあるでしょう。しかし、全社一斉利用だけが、法律で認められているわけではありません。課・班別付与、個人ごとのカレンダー方式付与も可能です。 年休取得の促進という法の趣旨からいえば、労使が自社の事情に合わせて制度を工夫して使えば、それでよいのです。全社一斉、班別付与の場合には、原則として労使協定により付与日を具体的に定めます。しかし、「年次有給休暇付与計画表による個人別付与の場合には、計画表を作成する時季、手続き等」を定めれば足ります(昭63・1・1基発第1号)。 ですから、月別・班別の付与日数を協定し、当月開始前になってから、本人がカレンダーで年休日を指定するという方法も取れます。一度、時季指定がなされると、基本的に変更は許されません。 「計画的付与の場合には、年休の労働者の時季指定権及び使用者の時季変更権はともに行使できない」(昭63・3・14基発第150号)からです。 全社一斉付与の場合、一人だけ仕事に出てきても、どうしようもありません。しかし、カレンダー方式の場合、急に仕事が忙しくなれば、応援を頼む可能性もあります。そういうケースでも、会社は強制できず、あくまで本人同意のうえで指定日を変更してもらう必要があります。 ですから、計画的付与は、確実に休める場合に限定するのがベターです。それ以外の日は、お願いして年休を消化してもらう、という対応を取るべきです。
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