教育訓練給付金の受給対象者 (2005年3月号より抜粋)  
     
 

雇用保険の被保険者期間が短いと受給対象にならないのは本当?

 

Q

当社では、雇用保険の教育訓練給付金を活用して、従業員の教育体系を整備したいと考えています。モデルを組んでみたところ、人事課員から「間隔が5年以上あいていないと、給付を受けられないのでは」という疑問が出ました。本当に、そのような制限があるのでしょうか。

 

 
 

A

最低でも3年必要

教育訓練給付金は、厚生労働大臣が指定する講座を受講し、終了した場合、その費用の一部を補助するものです。対象となる講座は、たとえば、厚生労働省のホームページ等で検索できます。

助成金の一部と勘違いしている経営者もいますが、失業時の基本手当と同じ保険給付の一種です。ですから、受け取り手は、事業主ではなく、被保険者本人となります。

自己啓発に役立つ仕組みですが、だからといって同一本人の無制限利用を認めるわけにはいきません。ですから、一定以上の被保険者期間があることを要件としています。

以前は、一律、5年以上だったのですが、平成15年に改正が実施され、現在では、本人の被保険者期間(正確には、支給要件期間)に応じて補助率が2段階に分かれています。支給要件期間とは、受講開始日までの間に同一の事業主の適用事業に引き続いて被保険者として雇用された期間のことです。ちなみに、退職後も1年間(出産、疾病等による期間延長あり)は権利が持続します。

補助率は、次のとおりです。

支給要件期間3年以上5年未満・・・20%(上限10万円)
支給要件期間5年以上・・・40%(上限20万円)

一度、教育訓練給付を受けても、また支給要件期間が3年以上になれば、新たに申請が可能です。

自社の教育訓練体系に組み込むというのですから、雇用保険の給付だけでなく、会社からの補助も検討すべきでしょう。支給要件期間が短くて、補助率が低い場合にはなおさらです。

 
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