|
精神の不調で休業中の社員の出産手当金 (2006年7月号より抜粋) | |
精神の不調で休んでいても出産すれば手当の請求が可能ですか? |
||
Q |
精神の不調で長期休職中の社員から、出産したという知らせを受けました。本人は、さかのぼって出産手当金を請求したいといっています。さらに、育児休業も取得したいと主張します。会社として、どのように対応したらよいでしょうか。 |
|
|
||
A |
傷病手当金に優先して出産手当金を給付 出産手当金は、「被保険者が出産したとき」、出産前後の一定期間について、「労務に服さず、賃金を受けなかった」という条件を満たせば受給できます。私傷病休職期間中等で、産前休暇の発令が出ていなくても、それは関係がありません。 「精神の不調」というだけで、傷病手当金の申請をしているかどうか、分かりませんが、仮に傷病手当金を受給中でも、出産手当金が優先します。傷病手当金が支払われた場合には、出産手当金の内払いとみなすと規定されています(健保法第103条)。 ですから、実際に出産した日以前42日(多胎妊娠は98日)、出産後56日について、出産手当金の申請が可能です。出産当日は、産前に含めて計算します。 次に、育児休業ですが、本人が「精神の不調」で休んでいるという点が、問題になります。育児介護休業法第6条・施行規則第6条によれば、配偶者かいて次のすべての条件を満たすときは、労使協定により申し出を拒否することができます。
配偶者については、健康状態も要件のひとつとなっています。しかし、本人に関しては、そうした条件が課されていません。 本人から育児休業の申し出があれば、会社として認めざるを得ないでしょう。育児休業期間中は、本人だけでなく使用者の社会保険料負担も免除されるので、会社にとってもメリットがあります。
|
|
労務相談と判例> 健康保険の相談 |
Copyright (C) 2006 Tokyo Soken. All Rights Reserved