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出向元と出向先から賃金を受ける人の労災 (2007年3月号より抜粋) | |
出向元と出向先の両方から賃金を受ける人は労災給付をどう計算しますか |
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Q |
社員を研修目的で、出向させる予定です。相手先会社が負担する賃金だけでは出向前の賃金水準をカバーできないので、出向元である当社も一部の賃金を支給します。仮にこの社員が労災に遭った場合、相手先会社が払う賃金だけをべースに、休業補償給付を計算するのでしょうか。当社支払分の賃金はどうなりますか。 |
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A |
両方の給与の合算額を基に補償される 複数の会社から賃金を受けるといっても、実は2通りのケースが考えられます。第1は、昼間は正社員、夜はアルバイトというように、別の職場で働く形です。この場合、A事業場からB事業場へ移動中の事故も、平成18年4月から通勤災害制度の保護を受けられるようになりました。しかし、休業補償給付等は、あくまで通勤先であるB事業場の賃金をべースに算定されます。A事業場で作業中に事故に遭えば、A事業場の賃金のみがべースとなります。 一方、お尋ねにあるように就労場所はひとつだけれど、出向元・出向先の両方から賃金をもらうという形もあります。この場合、「出向元事業主が支払う賃金名目の金銭給付を、出向先事業が支払った賃金とみなし、出向先事業が支払った賃金と合算のうえ、保険給付の基礎となる平均賃金を算定する」(昭35.11.2基発第932号)という扱いとなっています。就労先がひとつであれば、賃金の合算が認められているのです。ですから、出向元で一部の賃金を負担するスタイルを採っても、労災給付面で不利益はありません。 出向労働者については、「出向先事業の組織に組み入れられ、出向先事業の他の労働者と同様の立場で、出向先事業主の指揮監督を受けて労働に従事している場合」には、出向先の労災保険を適用するのが原則です。その際、出向元で払っている賃金を出向先賃金とみなし、出向先が保険料を納付します。出向元が賃金の一部のみを支払っているケースでも、同様に処理すべきです。出向先が出向元に追加の保険料負担分を請求するか否かは、出向先と出向元の話し合いによります。
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