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解雇予告除外認定 (2008年4月号より抜粋) | |
酒気帯び運転の杜員を即日解雇したいが労基署に後から申請できないか |
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Q |
営業車で帰社した社員が酒気を帯びていたため、詰問したところ、飲酒の事実を認めました。その場で直ちに懲戒解雇を申し渡しましたが、人事担当者は、即日解雇する場合、労働基準監督署の認定が必要だといいます。懲戒規定に該当するのは明々自々なのですから、後から認定を受けたのでは遅いのでしょうか。 |
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A |
認定申請を遅らせることは労働基準法20条違反 就業規則に、「解雇するときは30日前に予告する。ただし、労働基準監督署の除外認定を受けた場合はこの限りではない」などと記載する会社が多いようです。これは、労基法第20条で、「労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇するときは、この限りでない(予告は必要ない)。この場合、その事由について行政官庁の認定を受けなければならない(第19条第2項を準用)」と定めてあるのに対応するものです。 解雇予告制度は、突然の解雇により労働者が路頭に迷わないように、一定の準備期間を置くのが目的です。しかし、労働者を保護するに値しないほど重大な背信行為・法律違反等があるケースでは、即時解雇も認められています。 法理としては一般人にも分かりやすい内容ですが、実務的には難しい問題が残されています。保護規定を適用するに値しない「労働者の責に帰すべき事由」とは、具体的にどのレベルの過ちを指すのでしょうか。 この点について、法律の専門家でない事業主が一方的に判断を下すのは公平ではありません。そこで、使用者の恣意的判断による権利濫用を防ぐため、「労基署長の事前の認定」という仕組みが設けられたのです。 労基署長も「人の子」ですから、もちろん、判断を誤ることもあるでしょう。最終的に、「解雇に客観的に合理的な理由があり、有効か否か」を判断するのは、裁判所です。学説・判例でも、「労基署長の認定は解雇の効力発生要件ではなく、認定申請及び認定決定の有無にかかわらず、客観的に解雇予告除外事由が存在する場合は、予告手当なき即時解雇も有効に成立する」と考えられています。「懲戒規定に明々白々に該当する」という貴殿の判断に誤りがなければ、解雇の効力そのものが否定されることはありません。 しかし、「行政官庁の認定を受けなけれはならない」(労働基準法第20条第2項)という手続規定には、罰則が設けられています。罰則は、6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金です。 その当たりの関係について、行政解釈(昭63.3.14.基発第150号)では、「認定されるべき事実がある場合には、使用者は有効に即時解雇をなし得るものと解されるので、除外認定を得た場合にはその解雇の効力は即時解雇の意思表示をした日に生じると解される。ただし、認定申請を遅らせることは、法第20条違反である」と述べています。会社としては、事前に様式第3号を労基署長に提出し、認定を受けるという形式を踏まなければいけません。
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