平成21年改正の出産育児一時金 (2009年3月号より抜粋)  
     
 

去年妊娠して今年出産したら出産育児一時金の金額はいくら?

 

Q

女性従業員が、近く出産予定です。最近、健康保険の出産育児一時金の支給額がアップしたという話を耳にしました。妊娠時期が去年でも、今年、これから出産すれば、高い金額が適用されるという理解で、間違いないでしょうか。

 

 
 
A

出産する病院と出産時期による

出産育児一時金(家族出産育児一時金)の金額は健康保険法施行令第36条に規定されていますが、平成21年1月1日から改定されています。改定後の額は、「原則35万円。ただし、財団法人医療機能評価機構が運営する産科医療補償制度に加入する医療機関等で出産したときは3万円を加算した額」となりました。

なお、「施行の日前」に出産したときは従前の例によります(健康保険法施行令等の一部を改正する政令附則第2条)。

産科医療補償制度は、出生した子供が出産事故で脳性マヒにかかった場合、その補償金の支払いに備えるのが目的です。制度に加入する医療機関等は在胎週数第22週以降の出産の場合、一児当たり掛金3万円を負担します。その費用分が、被保険者(およびその家族)出産の際の窓口負担に跳ね返ってくるので、健康保険給付を増額したものです。双子を出産したときは、支給額は76万円(38万円×2)となります。

すでに多数の医療機関が同補償制度を利用していますが、未加入機関で分娩した場合には、従来どおり35万円が支給されます。

加入機関で出産したときでも、在胎遇数により、支給金額に差が生じます。在胎週数22週に達しない分娩(流産や人工妊娠中絶の場合を含みます)については、掛金支払いの対象にならないので、3万円の加算はありません。22週に達した以降の分娩は、死産であっても38万円が支給されます。

医療機関等は妊産婦に発行する領収書(または請求書)に制度の対象となる分娩がなされたことを証明するスタンプを押すので、その写しを出産育児一時金の申請書に添付します。

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