|
夕食の買出しと労災 (2009年4月号より抜粋) | |
残業するため夕食を買出しに行く途中で事故にあったら労災と認められるか |
||
Q |
残業で遅くなった社員が、コンビニエンスストアへ夕食の買出しに行く途中、すんでのことで車にぶつかりそうになりました。夕食の買出るしはやむを得ない行為ですから、現実に事故が起きたとしたら、労災保険で補償を受けられるのでしょうか。 |
|
|
||
A |
食事方法の合理性を検討して労災認定 食事のため外出中の事故は、さまざまな要素を考慮する必要があり、お尋ねの内容だけで結論を導き出すことはできません。 一般論をいえば、まず昼休みに食堂への往復中に事故にあった場合、労災と認められるのはレア・ケースです。休憩時間中でも事業場内にいる限りは業務遂行性は矢われず、施設の状況・欠陥等が原因でケガをすれば、業務上の災害になります。しかし、私用で外出すれば、事業場構内を出た段階で、事業主の管理下を離れます。 弁当持参、社内の食堂利用、外食等さまざまな方法が考えられるなかで、あえて外食を選ぶ必然性がなければ、それは本人の自由意思に基づく私的行為とみなされます。丸「ちょっと遠くにおいしい店ができたから、みんなで行ってみない」などといって、遠くまで足を伸ばしたりすれば、なおさらです。 夕方に休憩時間が設定されていても、それが毎日(または定期的)で、食事の取り方について多数の選択肢がある場合には、外出中の事故が労災と認められる可能性は低くなります。 しかし、突然、夜遅くまでの勤務を命じられ、労働時間の途中に食事を挟むのであれば、それは「業務遂行のため、特別な事情があった」と主張する有力な根拠になります。 その場の状況に応じ、食事をする選択肢が限られ、その範囲内で外出等をした場合等は、労災となる可能性もあります。会社が食事券を支給し、近くの食堂等を指定していたケース等が一番、分かりやすいでしょう。お尋ねの事案も、食事と仕事の関連性、食事の方法の合理性等を総合的に判断する必要があります。
|
|
労務相談と判例> 労災、通勤災害の相談 |
Copyright (C) 2009 Tokyo Soken. All Rights Reserved