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変形休日制の実施 (2009年5月号より抜粋) | |
1ヵ月単位変形労働時間制で4週4休制度を採るにはどうすべきか |
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Q |
1ヵ月単位変形労働時間制には、連続労働日数の制限がないといいます。しかし、毎週1日の原則を崩す場合、変形休日制を採る必要があります。1ヵ月単位変形労働時間制と4週4日の変形休日と、どうやったら起算日を合わせられるのでしょうか。 |
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A |
2つの制度を別々に運用する必要がある 1年単位変形労働時間制では、連続労働日数6日(特定期間は週に1日の休日確保)という上限を設けています(労働基準法施行規則第12条の4第5項)。週に1日の休日確保とは、たとえば第1週の日曜と第2週の土曜を休日にすれば条件を満たすので、連続12日労働は可能だという意味です。 しかし、1ヵ月単位変形労働時間制には、直接、連続労働日数に触れた条文は存在しません。それでは、何日連続して労働日を設定しても構わないかというと、休日の規定(労基法第35条)の制限を受けます。休日の原則は、毎週1回の付与です。1年単位の変形労働時間制の特定期間中の扱いと同じで、連続労働日数は12日まで認められます、一般に、1ヵ月単位変形労働時間制を採用する場合でも、12日を超える形で連続して労働日を設定する企業はまれでしょう。 しかし、1日の所定労働時間を短くし、休日を少すれば、毎週1回の休日付与が難しいケースもあり得ます。対応策としては、変形休日制の採用しかありません。労働基準法第35条第2項では、「4週間を通じ4日以上の休日」を確保すれば必要十分と規定しています。ただし、変形休日制を採る際には、「就業規則等で4週間の起算日を明らかにする」義務が課せられている点には注意が必要です(労基則第12条の2第2項)。 4週4日の休日確保とは、「いかなる4週間に区切ってもどの四週間にも必ず4日の休日が与えられていなければならない」という意味ではありません。「起算日から4週間を区切って、その中に4日の休日があれば」、法的要件を満たします(昭23.9.20基発第1384号)。 1ヵ月単位変形制を採る会社で、起算日を定めて変形休日制を導入すれば、連続13日以上の労働日設定も可能です。しかし、変形休日制は、4週サイクルという点がネックです。1ヵ月単位変形労働時間制は、「1ヵ月以内の範囲で変形期間を定める一のが条件ですから、4週間単位変形労働時間制を採れば、変形休日制とピッタリ合う形で制度運営ができます。 しかし、特殊な交代制を取る会社を除けば、4週単位変形制はあまり現実的ではありません。賃金計算する場合、時間外労働は月単位で把握します。一方で、4週間単位で時間外が発生したか否か、チェックするのは二度手間です。 現実的には、変形労働時間制は1ヵ月単位で、変形休日制は4週間単位で別々に制度を走らせるしかありません。まず、1ヵ月単位変形制で年間スケジュールを組み、次に起算日から4週ごとに区切って、迫日の休日が確保されているか確認します。
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