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代替休暇で割り増し賃金率を引き下げ (2009年9月号より抜粋) | |
代休を条件に割増賃金率を引き下げられる新しい代休制度を知りたい! |
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Q |
5割の割増賃金支払を避けるため、代替休暇を与える仕組みがあると聞きました。これまで、「代休を与えても3割5分増しの割増部分は支払う必要がある」と理解していましたが、新しい代休制度はどこが違うのでしょうか。 |
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A |
25%上乗せ部分が不要になる 平成22年4月1日から、時間外労働が60時問を超えたら5割以上の割増賃金支払が義務付けられます(中小企業は、当分の間、適用猶予)。それに合わせ、ご質問にある「代替休暇」の仕組みが新たに設けられました。 まず、従来の代休制度からおさらいしましょう。法定休日に労働させた場合、割増賃金率は3割5分増しですから、135%分の賃金を支払う必要があります。無給の代休を与えた場合、100%部分は相殺できますが、35%分の賃金支払義務が残ります。 これに対し、新しい代替休暇は、無給ではなく、有給の休暇(通常の賃金が支払われる休暇)でなければいけません。さらに、過半数労組(ないときは過半数代表者)と次の事項について労使協定を結ぶ必要があります(労基則第19条の2第1項)。
1.は、次のとおり定めます。 代替休暇として与えることができる時間=(1ヵ月の時間外数−60時間)×換算率 換算率=60時間超の割増賃金率−60時間以下の割増賃金率 ですから、法定どおりなら換算率は25%(5割−2割5分)になります。代替休暇は有給の(100%の賃金を支払う)休暇ですから、本来なら150%の賃金を払うべきところ、休暇を与えたからといって50%の賃金だけを支払えばよいことにはなりません(100%の相殺はできません)。 しかし、「有給」の休暇を与えることで、「それに対応する時間として厚生労働省令で定める時間」について5割の割増賃金を2割5分増しに減らすことができます(労基則第19条の2第3項)。「対応する時間」は、次の計算式で算出します。代替休暇を与えた時間数÷換算率(一般的には、25%) たとえば、半日(4時間)の代替休暇を与えた場合、半日分の休暇については100%の賃金を支払わなければいけません。賃金支払負担は、4時間×1時間当たり単価(Xとします)=4Xです。 しかし、その代わり、次の時間は5割の割増賃金を支払う必要はありません(2割5分増しは必要)。 4時間÷換算率(25%)=16時間 16時間分について、本来、150%の賃金を支払うべきところ、125%の割増で済みます。浮いた賃金は、16時間×25%=4Xです。 さて、この処理がどれだけ得なのか、事業主として評価の割れるところかもしれません。
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