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交代制勤務の休日と割り増し賃金 (2009年12月号より抜粋) | |
3交代制勤務で割増の対象となる「休日」の開始はいつからか? |
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Q |
3交代制勤務の場合、「休日暦日制」の原則が適用されないといいます。当杜でも、2暦日にまたがり、連続31時間の休息を与える日を休日1日とカウントしています。この場合、「休日」に入る前に残業が生じたとすると、3割5分増しの休日手当を払わなければならないのは、何時からなのでしょうか。 |
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A |
継続24時間の休日が確保されていれば割り増し不要 残業が午前0時をまたぎ、法定休日に食い込んだとします。法定休日は「暦日によるべきことが原則」となっているので、午前0時を境にして、割増賃金率は3割5分増しにアップします。しかし、8時間3交代制勤務、旅館業、自動車運転者については、この原則によらないことができます。 8時間3交代制勤務については、次の条件を満たす場合には、「継続24時間の休日を与えれば、法定休日を与えたものとして取り扱ってよい」と定められています(昭26・10・7基収第3962号)。
通常は、24時間きっちりではなく、それに一定幅の時間をプラスした時間帯が休日と指定されることになります。 暦日休日制の場合も、前日午後5時に業務終了し、休日の翌日午前8時から就労するとすれば、休息のための時間は合計39時間となります。暦日休日制では、この39時間のうち、休日の午前O時から午後12時までの間に就労させたときに限り、3割5分増しの割増賃金を支払う義務が生じます。 しかし、たとえば、3交代制で前日の午後3時に業務終了し、翌日の午後10時から就労したとすると、間に31時間が挟まります。その際、何時から何時までが3割5分増しの割増賃金を支払うべき時間帯になるのでしょうか。 この点について、前記通達では、「休日となるべき時間帯を特定することが望ましいが、別段の定めがない場合においては、継続24時間が確保されている限り、早出、残業のため所定労働時間を超えて労働させても休日労働とはならない」と述べています。前日の午後3時から同日の午後10時まで7時間の残業が発生したとしても、ギリギリ24時残っているので休日労働にならないという結論になります(もちろん、時間外労働の割増は必要になります)。 もちろん、あらかじめ休日労働となる時間帯を特定しておく方が従業員の理解を得やすいでしょうが、「継続24時間を超える部分を休日労働として取り扱うか、時間外労働として取り扱うかは労使の定めるところ」によります。 継続24時間の休息時問を確保できなくなったときは、法定休日労働として3割5分増しの割増賃金の支払が必要です。ただし、割増賃金を支払えば適法に休日を与えたことになり、別に休日を設定する必要はありません。
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