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埋葬料・埋葬費 (2009年12月号より抜粋) | |
死亡した従業員の葬儀を別居の弟が手配したら給付の権利あるか? |
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Q |
当社の50歳代の従業員が死亡しましたが、当人は独り身で、葬儀は実の弟が取り仕切るという話です。弟は一家を構えていて、当社従業員と同居はしていませんでした。この場合、健康保険の死亡関係給付を請求できるのでしょうか。 |
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A |
生計維持関係が無くても支給される 健康保険の死亡関係の給付には、埋葬料・埋葬費(健保法第100条)、家族埋葬料(同王113条)があります。埋葬料関係は平成18年10月に大改定が実施され、それ以前に比べると大幅に金額が減っています。実務担当者は、注意が必要です。 被保険者本人死亡の際には、埋葬料または埋葬費が支給されます。 埋葬料は、「その者により生計を維持していた者であって、埋葬を行うもの」が対象となります。金額は、一律5万円です。実の弟の場合、生計維持関係があり、同居していれば、被保険者の被扶養者になります(健保法第3条第7項)。しかし、お尋ねのケースでは「独立して一家を構えている」のですから、被扶養者として届出していなかったはずです。 埋葬料は、被保険者の被扶養者でなくても対象に含まれます。親等数は関係なく、そもそも家族である必要すらありません。生計維持関係があれば、必要十分です。「被保険者により生計の全部若しくは大部分を維持した者のみに限らず、一部分を維持した者をも含む」(昭8・8・7保発第502号)と解されています。しかし、生計維持関係がなければ、親等が近くても埋葬料は支給されません。 埋葬費は、「埋葬料の支給を受けるべき者がない場合に、埋葬を行った者」が対象となります。金額は、「5万円の範囲内で埋葬に要した費馬に相当する額」と定められています。「要した費用」には、霊柩代、霊柩車代、火葬料、僧侶の謝礼などが含まれます。「生計を維持されない兄弟姉妹等が現に埋葬を行った場合には、当然、埋葬を行った者に含まれる」という解釈例規が示されています(昭26・6・28保文発第162号)。 よって、今回のケースは、当該従業員の別居の弟に埋葬費が支給されるという結論になります。
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