任意継続被保険者の資格喪失 (2010年6月号より抜粋)  
     
 

任意継続を選択した女性が緒婚したが被扶養者に転換できる?

 

Q

退職時に、健康保険の任意継続被保険者の手続きをアドバイスした女性社員がいます。先日、彼女から電話があり、「結婚したので、夫の被扶養者に切り替えたい」と相談がありました。どのような手続きが必要になるのでしょうか。

 

 
 
A

結婚したとういうことで資格は喪失できない

退職し、健康保険の被保隊者資格を喪失した場合、選択肢が2種類あります。1つは国民健康保険の被保険者になることです。もうひとつは、継続して2ヵ月以上被保険者期間があることが条件になりますが、申請により任意継続被保険者(健康保険法第3条第4項)となることができます。申請先は、協会けんぽの場合、全国健康保険協会都道府県支部です。

任意継続被保険者の場合、保険料は全額被保険者負担となります。結婚して、夫の被扶養者となれば、保険料を納めずに済みます。そこで、ご質問にあるように「身分の切替」の話が出てきたのでしょう。

しかし、任意継続被保険者の資格喪失事由は次のとおり定められています(健康保険法第38条)。

  1. 任意継続被保険者となって2年を経過したとき
  2. 保険料(初回除く)を納付期日までに納付しなかったとき
  3. 被保険者となったとき
  4. 船員保険の被保険者となったとき
  5. 後期高齢者医療の被保険者等となったとき

喪失事由に「被扶養者となったとき」という規定はなく、当然、被扶養者となったことを理由とする資格喪失手続き等も定められていません。

本人が資格喪失を望むなら、「保険料を納付期日までに納付しなかったとき」等の別の要件を満たさなければいけません。納付しなかったときは、「納付期日の翌日」に資格喪失となります。しかし、協会けんぽの窓口では、「保険料を滞納してください」などとはいわないかもしれません。

資格の喪失が確認されたら、夫の会社で被扶養者届を提出することになります。

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