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所定労働日数が少ない労働者の解雇予告手当 (2010年8月号より抜粋) | |
所定労働日数が少ない労働者の解雇予告手当の正しい詩算式は? |
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Q |
月間の就労日数10日前後のパート従業員を、予告手当を支払ったうえで解雇することになりました。しかし、通常の計算方法に基づく平均賃金、最低保障に基づく平均賃金、両方を計算してみましたが、いずれも適切な額とは思えません。正しい平均賃金の計算方法は、どちらなのでしょうか。 |
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A |
最低保障額が適用される(かつ平均賃金の30日分が必要) 解雇予告手当の額は、「平均賃金の30日分以上」と定められています(労働基準法第20条)。日給1万円で月10日働いていたとして、解雇予告手当がいくらになるか試算してみましょう。 平均賃金は、原則として、過去3ヵ月の賃金の総額を暦日数で除して計算します。3カ月の暦日数が91日だったとすると、 10万円×3ヵ月÷91日=3,296.70円 しかし、平均賃金は「生活日当たりの賃金を算定する」(労働基準法コンメンタール)趣旨なので、日給制、時給制、請負制の労働者を対象として、最低保障の規定が設けられています。 平均賃金の額は、次の計算式により算出された額を下回ることができません。 この式をお尋ねの方に当てはめると、 原則の計算式に基づく金額(3,296,70円)は、最低保障額(6,000円)を下回っているので、この方の平均賃金は最低保障額を基に決定されます。日給が1万円なのに平均賃金が3,296.70円というのは、確かに低すぎる気がします。最低保障による修正額、6,000円というのは常識の線に近いといってよいでしょう。 しかし、平均賃金6,000円で解雇予告を計算すると、6,000円×30日=18万円となります。月収10万円の人に解雇予告手当18万円を払うのは多すぎる印象がありますが、法で定める計算方法なので仕方がありません。
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