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賃金と高年齢雇用継続給付 (2012年1月号より抜粋) | |
定年後の嘱託雇用者の賃金が高いと継続雇用給付を受けられない? |
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Q |
他社からスカウトした技術人材が、まもなく60歳に達します。これまで、破格の高給を支払ってきましたが、他の嘱託社員との見合いで、少し賃金水準を調整したいと考えています。しかし、高給者の場合、雇用保険の高年齢雇用継続給付を受けられないケースもあると聞きます。どのような形で減額が実施されるのでしょうか。 |
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A |
賃金の低下率により給付が変動。給付されない場合も。 定年再雇用者の生活設計は、賃金、雇用継続給付(雇用保険)、年金の3本立てで考えるのが基本です。 高年齢雇用継続給付は、再雇用後の賃金が、60歳到達時等賃金と比べ、どの程度低下したかを基準として金額を算定します(雇用保険法第61条)。 再雇用後の賃金が、60歳到達時等賃金と比べ、61%未満の水準に低下したとき、継続給付の額は、再雇用後の賃金に15%を乗じた額となります。75%未満61%以上のときは、再雇用後の賃金に「15%から逓減する率」を乗じます。(75%以上ですと、給付はありません。) ただし、ご質問にもあるように、高給者については一定の減額措置が講じられます。まず、「支給限度額」が定められています。平成23年度の支給限度額は、34万4,209円に引き上げられました(改正前32万7,486円)。再雇用後の賃金額と継続給付(原則どおりに計算した額)の合計が、支給限度額を超えると、超えた分の金額が継続給付からカットされてしまいます。 次に、60歳到達時等賃金を計算する際にも、上限額が設定されています。60歳到達時等賃金は、高年齢者が「60歳に到達した日に離職したとみなして」計算した賃金日額をベースとします。 賃金日額は、被保険者期間の最後の6ヵ月に支払われた賃金を180で除して算定します(雇用保険法第17条)。しかし、賃金日額には年齢階層別に上限が設けられています。平成23年度は、60歳以上65歳未満の賃金日額上限が1万5,060円に改定されました。 ですから、仮にお尋ねの技術人材(以下「Aさん」といいます)が定年前に月給60万円を受け取っていたとします。単純に賃金日額を計算すると、次のとおりとなります。 60万円×6ヵ月÷180=2万円 これは、上限を超えているので、Aさんの賃金日額は1万5,060円とみなされ、それを30倍したものが60歳到達時の月給額となります。 1万5,060円×30=45万1,800円 Aさんの再雇用後の賃金が30万円だったとします。現実には賃金は半減(30万円÷60万円=50%)していますが、継続給付の計算上は、次のとおり取り扱います。 ですから、Aさんの雇用継続給付は賃金の低下率が50%ではなく、66.40%(約3分の2)として計算されます。この場合の給付金額は、2万5千円強となります。
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