18歳未満の年少者と変形労働時間制 (2012年11月号より抜粋)  
     
 

高校中退者を1年単位変形労働時間制の職場で働かせたいが問題あるか

 

Q

当社では、このたび、高校中退の年少者を製造現場で受け入れることになりました。18歳の誕生日まで、まだ2ヵ月ほどありますが、学生でなくても、労働基準法上の規制を受けるのでしょうか。1年単位変形労働時間の職場に配置するのは、問題があるでしょうか。

 

 
 
A

1週間48時間の範囲内ならOK

少し前、工事現場で働く年少者が、事故に遭うという事件が発生しました。16歳、17歳の男の子の中には、体格的に成人と変わらない者もいます。しかし、労基法上の年少者に該当すれば、当然、該当規制の適用を受けるので注意が必要です。

労働基準法第6章は、年少者を対象とします。ただし、条文によって、「児童」「満18歳に満たない者」「未成年者」等の文言が、使い分けられています。

「満18歳に満たない者」については、学生であるなしは関係ありません。高校を卒業していなくても、18歳に達すれば、規制の対象から外れます。

特に注意が必要なのは、

  1. 年齢証明

  2. 時間外・休日労働

  3. 深夜労働

  4. 危険有害業務

の制限です。労働者名簿には生年月日を記載するので、当然、年齢確認をしているはずですが、満18歳に満たない者については、住民票記載事項証明書を事業場に備え付けなければいけません(労基法第57条)。

満18歳に満たない者については、原則として変形労働時間制の適用が禁じられています。ただし、「1週48時間の範囲内で、1日8時間を超えないという条件を満たせば、1ヵ月・1年単位変形労働時間制に限って適用を認める」という例外が設けられています(同第60条)。深夜業も原則禁止ですが、「満16歳以上の男性を交代制で使用する」ことは可能です(同第61条)。

重量物の取扱いの業務、一定範囲の危険有害業務への就労も禁止されています。該当業務の範囲は年少者規則第7条、第8条に列記されているので、チェックしてください。

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