フレックスタイム制と会議出席強制 (2015年8月号より抜粋)  
     
 

フレックス制の従業員に対し会議への定刻出席を強制できないか

 

Q

当社では週1回の定例会議を月曜朝に開催しています。その時間だけ、フレックスタイム制適用者に出席を強制できないでしょうか。

 

 
 
A

コアタイムを利用するのが妥当

フレックスタイム制は、「始業・終業の時刻を労働者の決定にゆだねる」のが原則です(労働基準法第32条の2)。「始業・終業時刻の一方についてのみ労働者の決定に委ねるものはフレックスタイム制に含まれない」という考え方が示されています(労働基準法コンメンタール)。

ですから、会議の開始前に始業時刻を設定するよう強制はできません。定刻に会議出席を求めるのであれば、本人の同意を得る必要があります。

ただし、コアタイムとフレキシブルタイムを設定することは認められています(設定するか否かは自由)。

コアタイムとは必ず労働すべき時間帯、フレキシブルタイムとは選択して働くことができる時間帯(最長の就労可能時間)を指します。

お尋ねのケースでは、たとえば毎日午前10時から午後3時まで等をコアタイムとすれば問題は解決です。しかし、コアタイムの設定はフレックスタイム制の長所(労働者の自主性・自発性の尊重)を削ぐという問題もあります。

コアタイムについては、「設ける日と設けない日があるもの、日によってコアタイムが異なるものも可能」(労基法コンメンタール)と解されています。週1回の会議開催日のみ、必要最小限の範囲でコアタイムを設けるのも一つの方法です。

▲画面トップ

 
  労務相談と判例> 労働時間の相談

Copyright (C) 2016 Tokyo Soken. All Rights Reserved

東京労務管理総合研究所