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入社月にすぐ退職した社員の保険料 (2016年5月号より抜粋) | |
入社して数日で退職を選択した従業員がいるが社会保険料徴収は? |
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Q |
従業員を中途採用したのですが、入社後、数日で欠勤するようになり、電話で出勤を督促したところ、「退職したい」旨、申し出がありました。会社としても慰留する意味がないと判断し、退職手続きに移ります。在籍日数は10日程度ですが、社会保険料は1ヵ月分をまるまる徴収するのでしょうか。 |
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A |
健保は徴収、厚年は徴収せず 社会保険料は、大きく健保保険料と厚生年金保険料に分かれます。両者の徴収の仕組みはよく似ていますが、異なる部分もあります。 まず、健康保険の規定からみていきましょう。保険料は月単位で徴収しますが、「前月から引き続き被保険者である者が資格喪失した場合、その月分の保険料は算定しない」と規定されています(健康保険法156条)。ですから、通常は退職月分の保険料は発生しません。 しかし、「前月から引き続き被保険者でない者」については、保険料が発生します。つまり、同一月に資格を取得・喪失した場合には1ヵ月分の保険料を納める必要があります。 次に、厚生年金の規定です。保険料は月単位で、「被保険者期間の計算の基礎となる各月につき徴収」されます(厚生年金保険法81条)。 そこで、「被保険者期間」の数え方を確認してみましょう。被保険者期間は、原則として「被保険者資格を取得した月からその資格を喪失した月の前月までを算入」します(厚年法19条1項)。 ですから、通常は退職月については、被保険者期間1ヵ月とはカウントしません。つまり、保険料の徴収もありません。 ただし、同一月に資格得喪があった場合には、例外が設けられています(同19条2項)。この例外規定については、平成27年10月1日付で改正が行われています。 改正前は、「被保険者の資格を取得した月に資格を喪失したときは、その月を1ヵ月として被保険者期間に算入する。ただし、その月にさらに(厚生年金の)被保険者の資格を取得したときは、この限りでない」と規定されていました。 改正後は、後半部分が「ただし、その月にさらに被保険者または国民年金の被保険者(第2号被保険者を除く)の資格を取得したときは、この限りでない」に変更されています。 平成27年10月1日以降は、同一月に資格得喪があった人について、ほかの会社に再就職した場合(さらに厚生年金の被保険者資格を取得)だけでなく、国民年金の第1号・第3号被保険者となった場合についても、被保険者期間1ヵ月とカウントしない扱いに改められました。この場合、保険料の支払義務は発生しません。 今回の改正は、「厚生年金と共済年金の一元化」に伴う措置です。これにより、厚生年金の被保険者は4種類(1号から4号)に分類されることになりました。サラリーマン等の従来からの厚生年金被保険者は、第1号厚生年金被保険者となりました。
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