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事業場閉鎖時の解雇回避努力 (2016年7月号より抜粋) | |
地震の影響受けた事業場を閉鎖する際に転勤等の配慮が不可欠か? |
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Q |
平成28年4月に発生した熊本地震は、企業活動にも大きな影響を及ぼしました。仮に、複数の事業場(本・支社、営業所、工場等)があり、1つの事業場が壊滅的な打撃を受けたとします。会社は、他事業場への配転により、解雇を回避する義務を負うのでしょうか。 |
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A |
勤務地限定社員の解雇回避努力義務は一段落ちる 配転により雇用を継続する義務を負うか否かは、基本的には、労働契約に則って判断します。正社員(総合職)については、就業規則中に、「業務上の必要により、配置転換を命じることがある」等の根拠規定を設けるのが常道です。 その場合、本人が望まなくても、業務上の必要性が認められ、拒否する正当な理由がなければ、異動命令に従うほかありません。 一方で、同じ正社員でも勤務地限定の特約を付けるグループも存在します(勤務地限定社員)。パートに関しても、同様の合意成立が認められるケースが多いでしょう。 こちらは、異動命令を受け入れる義務はありませんが、逆に、本人が会社に配転を求める根拠も薄いという結論になります。 ですから、1つの事業場が閉鎖を余儀なくされた際、正社員(総合職)については、配転の可能性を幅広く検討する必要があります。 それに対して、勤務地限定のグループに関しては、優先順位が一段落ちるといえます。ただし、厚生労働省・「多様な正社員」の普及・拡大のための有識者懇談会報告書で、「事業所閉鎖の場合に、勤務地が限定されていれば直ちに解雇回避努力が不要とされるものではなく、配置転換の可能性に応じて企業の回避努力の程度も異なる」と指摘している点には注意が必要です。 勤務地限定社員・パートは、家庭の事情等で遠隔地への転勤等は難しい場合が大半でしょう。話し合いで円満に退職合意ができればそれが一番です。合意が達成できないときは、まず、このグループの中から解雇者を選択することになります。経営上の必要性が高ければ、解雇の合理性が認められる可能性もより高くなります。 |
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