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研究開発職の時間外労働の限度基準 (2017年5月号より抜粋) | |
研究開発職は時間外の上限の対象外なので36協定違反はあり得ない? |
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Q |
ユニオン(合同労組)から、「36協定の上限を超えて時間外労働が行われているので、話し合いたい」と連絡がありました。対象の従業員は研究開発職であり、当方としては時間外上限の問題は存在していないと考えています。その旨、回答する方向で考えていますが、当方の理解に誤りはないでしょうか。 |
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A |
具体的な上限時間明記で36協定締結が必要 ユニオンは、個人参加スタイルの労働組合です。社外労組ですが、貴社で雇用する労働者が加入している限りにおいて、団体交渉等の義務が発生します。 ご質問についてですが、時間外規制の在り方について再確認します。法定労働時間を超えて労働させる場合、時間外・休日労働(36)協定を締結し、労働基準監督署に提出する必要があります。 36協定を締結する際には、告示(「労働時間の延長限度に関する告示」平10・労働省告示第154号)の範囲内で上限を定めなければなりません(労働基準法第36条第2項、3項)。 たとえば、通常の労働時間制度を採る場合(1年単位変形制以外)、1ヵ月について45時間以内、1年について360時間以内等の基準が示されています。 これを超えて時間外に従事させたいときは、協定に特別条項(いわゆるエスケープ条項)を付します。 ただし、一定範囲の事業・業務に関しては、前記の延長限度時間は「適用除外」とされています。具体的には、以下の事業・業務が列挙されています。
ユニオンとの話し合いの対象となっている従業員は、貴社の見解では「B新技術、新商品等の研究開発の業務」に該当するということです。 ちなみに、Bについては「専門的、科学的な知識、技術を有する者が従事する新技術、新商品等の研究開発の業務をいう」と解説されています(平11・1・29基発第45号)。 この定義に該当するとしても、「労働時間の延長限度」(1ヵ月45時間等)が適用されないだけであり、36協定の締結等は必要になります。 36協定を結ぶ際には、業務区分ごとに理由・労働者数・限度時間等を記入する形となっています。 研究開発業務従事者に関しては、1ヵ月45時間等の上限の制限を受けず、たとえば「1ヵ月60時間まで」などと上限時間を定めることができます。 しかし、貴社でそうした手続きを経ず、全社一律で1ヵ月45時間等と定めていたとします。この場合は、研究開発業務従事者もその限度内での時間外しか認められません。ユニオンは、そうした点を問題にしている可能性もあるので、自社の協定を再チェックしてください。
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