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ユニオンより団交の申し入れ (2017年8月号より抜粋) | |
社外の労組から団体交渉を申込まれたが応諾しないと問題があるか |
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Q |
「ユニオン」と名乗る労組から電話があり、当社所属の組合員の件に関して、交渉したいといいます。最近、従業員の1人と、処遇をめぐって口論のようなものがあったのは確かです。しかし、従業員が外部の組合に加入(トラブル発生後に加入)したからといって、当社が話し合いに応じる必要があるのでしょうか。 |
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A |
団体交渉を拒否すると不当労働行為となる まず、「ユニオン、合同労組」等と呼ばれる労働組合の性格から、確認しておきましょう。日本では、「企業別労働組合」が主流です。 しかし、労働組合法では「労働者が主体となって労働条件の向上等を目的として組織する団体等」を労働組合と定義しています(第2条)。 合同労組とは、企業の内部ではなく一定地域を団結の場とする個人加盟の労組を指します。こうした設立パターンも労組法の「想定内」で、適法に組織されたものであれば法による保護を受けます。 いわゆる労働三権(団結権・交渉権・行動権)の一つとして、労働組合は団体交渉権を持つといいます。労組法は「排他的交渉代表制(一つの組合とだけ交渉する仕組み)を採用していないから、いかなる少数組合といえども団体交渉権を有する」とされています(菅野和夫「労働法」)。 労組法では、組合員を不利益に取り扱う等の「不当労働行為」を禁じています(第7条)。禁止される行為として4類型が示されていますが、その2番目に「団体交渉拒否」が挙げられています。具体的には、「使用者が雇用する労働者の代表者と団体交渉をすることを正当な理由がなく拒むこと」と定義されています。 ユニオン等は「外部の組織」で、その委員長等も外部の人間です。しかし、「自社で雇用する労働者を代表」する立場にあれば、拒否するのは賢明ではありません。 交渉に応じたとしても、相手の要求を受け入れるか否かは別の問題です。誠実な態度で交渉に臨み、双方が納得できる着地点を見出す努力をすべきでしょう。 |
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