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学生と社会保険の適用除外 (2017年11月号より抜粋)

法改正により学生であれば自動的に社保に加入させなくてよいか

 

Q 当社は飲食店を営んでいますが、このたび、学生アルバイトを雇うことになりました。あまり学校に行っていないらしく、30時間以上の勤務シフトでも「大丈夫です。やらせてください」といっています。店長は「学生なんだから、社会保険に加入させなくてもよい」という理解のようですが、本当に問題ないのでしょうか。

 

A 4分の3要件を満たせば学生でも社保加入

 

平成28年10月に健康保険法等の条文が改正され、学生の取扱いが本則上に記載されました。ただし、ちょっと誤解を招くところもあるようです。

 

新しい条文は、社会保険の適用拡大に関係するものです(健保法第3条1項9号)。労働時間に関する「いわゆる4分の3条件」を満たさなくても、大企業(501人以上)で、「週の所定労働時間20時間以上」「月収8.8万円以上」等の条件に合致すれば、社会保険の対象となります。

 

ただし、「学校教育法に規定する高等学校の生徒、大学の学生その他」であるときは、適用除外とされます。ただし、「休学中の者・定時制に在学する者等は学生でない」として取り扱われます(平28・5・13保保発0513第1号)。学生についての話は、ここで登場します。

 

これを読んで、「学生だから加入の必要なし」と即断すると、落とし穴があります。学生であるか否かの基準が適用されるのは、「4分の3条件」を満たさない人を対象として、加入の要否を判断する場合です。

 

週の所定労働時間・月の労働日数が正社員の4分の3以上の常用労働者であれば、学生であっても、一般の労働者と同様に社会保険の適用を受けます。

 

法改正以前から、学生で同時に被保険者だった人たちがいたわけですが、そうしたグループが今回の改正で、被保険者資格を喪失したわけではありません。これまでと、扱いは同様です。

 

貴社でも、フルタイムに近い形で雇用するのですから、社保の加入手続きが必要になります。