配偶者以外にも出産育児一時金が出る?  (2003年8月号より抜粋)  
     
 

健保法改正で配偶者以外にも出産育児一時金が出るという話は本当ですか?

 

Q

健康保険法の改正で、配偶者以外の家族が出産しても、出産育児一時金が出るようになったと聞きます。たとえば私の妹が出産しても、夫の健康保険を使えるということでしょうか。妹は、近く出産を理由に会社を辞める予定です。

 
   

A

平成14年10月以前は、「被扶養者タル配偶者ガ出産シタトキ」配偶者出産
育児一時金が払われましたが、改正により「被保険者の被扶養者が出産したとき」家族出産育児一時金を支給する規定に改められました。

しかし、家族なら誰でもよいわけではなく、「被扶養者」として届け出た人に限ります。あなたの妹は、「同居し、生計を維持されている」場合に限って、被扶養者として申請が可能です。

妹さんは会社を辞めるというお話ですが、その後、あなた方ご夫婦と同居し、扶養されるわけではないと思います。妹さんの夫が健康保険の被保険者なら、その被扶養者になるでしょうし、自営業なら妹さんご自身が国民健康保険の被保険者となります。

ですから、通常考えられるのは、次の3パターンです。まず、退職後6ヵ月以内にお産をしたときは、本人の健康保険の資格喪失後の給付を受けることができます。つまり、本人出産による出産育児一時金の権利を行使するわけです。

次に、夫の被扶養者として、家族出産育児一時金を受給することもできます。本人の出産育児一時金の申請も可能なときは、どちらか選択になります。

最後に、国民健康保険の被保険者だった場合ですが、国民健康保険法第58条に「被保険者の出産及び死亡に関しては、条例または規約の定めるところにより、支給する」という規定があります。法定の給付事項ではないのですが、現実にはどこの市町村でも出産育児一時金の定めがあり、その金額もほとんど30万円で、健保と変わりません。

配偶者以外に家族出産育児一時金が支給されるのは、シングル・マザーなど特殊な例です。

 

 
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