看護休暇の付与義務(2005年5月号より抜粋)  
     
 

子どもが病気なら無条件で看護休暇を与える義務がありますか?

 

Q

育児・介護休業法が改正され、看護休暇の付与が強制義務化されたと聞きます。これは、例外なくすべての従業員が対象になるのですか。「子どもが病気です」といわれれば、会社として、拒むことは許されないのでしょうか。

 

 
 

A

労使協定で一定範囲を除外可能

「子の看護のための休暇」は、平成14年施行の改正法で登場した新しい制度です。「小学校就学の始期に達するまでの子」が病気になった場合、休暇(無給で可)の取得を認めるものですが、これまでは努力義務という扱いでした。

しかし、今年4月施行の改正法により、強制義務に格上げされています。付与日数は5日以上で、原則として「事業主は、労働者からの申し出があったときは、拒むことができない」(育児介護休業法第16条の3)と規定されています。パート等も、例外ではありません(日々雇入れられる者は除く)。

しかし、労使協定(相手方は過半数労組、ないときは過半数代表者)を結べば、一定範囲の従業員を除外することができます。その範囲は、

  1. 雇用された期間が6ヵ月未満の者
  2. 1週間の所定労働日数が2日以下の者

それ以外については、たとえ労使が合意しても除外することは不可能です。それでは、「子どもが病気」と申請されれば、無条件で与えるしかないのでしょうか。

改正育児介護休業法施行規則第30条では、休暇申し出時に明示すべき事項を定めています。

  • 申し出する労働者の氏名
  • 子の氏名及び生年月日・休暇取得日
  • 子が負傷し、または疾病にかかっている事実

さらに、事業主は負傷・疾病の事実を証明する書類の提出を求めることもできます。指針では、「事後の提出を可能とする等、過重な負担を避ける」よう求めていますが、いずれにせよ不正利用にチェックをかけることは可能です。

 

 
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