育児休業中の出勤と育児休業基本給付金 (2005年8月号より抜粋)  
     
 

育児休業中に出勤を命じると雇用保険の給付金が減額されるか?

 

Q

雇用保険法改正で、育児休業給付の計算方法が「月単位」から「日単位」に変わったと聞きました。当社では、育児休業を取得した専門職女性従業員に対し、月1〜2回会社に顔を出して仕事のチェックをするよう頼んでいます。出勤すると、給付金の額が少なくなってしまうのでしょうか。

 

 
 

A

月に1〜2日の出勤ではカットされない

今回の法改正は、育児介護休業法の改正に合わせて実施されました。育児休業基本給付金は、支給単位期間ごとに金額を計算します。支給単位期間とは、「休業取得日から起算して1ヵ月ごとに区切った期間」を指しますが、最後の支給単位期間は「休業取得日の応答日から休業終了日」までとなります。

休業の取り方によっては、最後の支給単位期間は丸々1ヵ月ではなく、数日ということもあり得ます。しかし、従来は、それに関わらず、基本給付金の額は支給単位期間ごとに一律賃金日額の30日分と定められていました。最後の支給単位期間が短くても、30日分の給付金を支給するのは公平性に欠けます。このため、次のとおり、支給金額の計算方法を改めたものです。

 

育児休業基本給付金の額=賃金日額×支給日数×30%

<支給目数とは〉

  1. 通常の支給対象期間:30日
  2. 休業終了日の属する支給対象期間:支給対象期間の日数

「日割計算」になったのは、最後の支給対象期間についてのみです。休業取得者が出勤した場合の扱いですが、支給単位期間ごとに「休業している日(会社の公休日を含みます)が20日以上あるとき、最後の支給単位期間については休業している日が一日以上あるとき」に給付金の対象となり、出勤日数に応じた日割計算(金額カット)は行いません。ですから、法改正後も心配はありません。

育児休業者職場復帰給付金の額は、

賃金日額 × 基本給付金の支給日数 × 10%

の式で計算します。

 
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